研究会設立の趣旨

本研究会は、人間に最も優しい情報処理・通信・インタフェースを求めて研究活動を進めるもので、画像信号処理、HDTV信号・システムの活用、高品質音声処理・音場処理等をスタートとして、マルチメディアの有機的・総合的活用を実現するハイパメディア場への進展を積極的にサポートするものである。これらの研究現状は既に実用化に近いものから、まだ萌芽状態にあるものなど幅広く、これらの分野にかかわりの深い研究会との協調を持ちながら、本研究会で適切な課題設定をもって研究紹介の効率化をはかり、実用から最先端までの研究者の積極的交流の場とすることにより、技術進歩の加速をはかることが大きな目的である。特に、国際的な環境においては ATV・HDTV を中心に据えた B-ISDN に向けた信号処理・通信・サービスに関する国際標準化さらにはマルチメディア・ハイパメディアに関する国際標準化等の活動の裏付けとなるために、オリジナルなアイデアや研究成果を出来るだけ促進する方向で報告・討論できる場として本研究会の存在が重要な意味を持っている。標準化にかかわる正式の活動は、情報処理学会情報企画調査会が国際事務局として平成3年11月に発足したISO/IEC JTC1/SC29が行っている。SC29はJBIG(2値画像符号化)、JPEG(静止画符号化)、MPEG(動画符号化)、およびMHEG(マルチメディア&ハイパメディア符号化)を検討中である。これら標準化への貢献は我が国としての責務であり、知的所有権を確保しながら標準化への貢献をはかるためには同様な研究分野を持つ研究会等の公式の発表の場が情報処理学会に必要である。本研究会はこのような背景で平成5年4月に設立され、毎年、4回の研究会と1回のシンポジウムを開催している。

 研究分野

本研究会は、オーディオビジュアル情報(映像・音声・音響信号)を主体としたマルチメディア情報処理・配信・検索・インタフェース及び応用に関わる幅広い技術課題を対象とし、以下を含む。 オーディオビジュアル情報の圧縮技術、オーディオビジュアル情報処理技術、オーディオビジュアル情報管理技術、オーディオビジュアル情報配信技術、オーディオビジュアル情報検索技術、オーディオビジュアル端末技術、マルチメディアインタフェース技術、人間および感性に基づくマルチメディアシステム関連技術、メディア理解、ユーザコンテクスト適応、マルチメディア出版技術、マルチメディア権利処理技術、マルチメディアコンテンツ制作技術、アプリケーション技術。

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